蘭:『じゃあ、バイバイ、一条君!』

完:「うん、またね!」


完二が去っていく蘭を見送る。

蘭が完全に角を曲がった瞬間、
完二の顔から笑顔が消える。


完:「ったく、あの馬鹿女めんど…」


さっきよりも低い声で呟いた。

それから、太陽組の寮の方へ
ゆっくりと歩いていく。


完:「この僕にあんなことさせて
一つも顔を赤くさせないとか無いわ
…本当、馬鹿な女だよな」


ブツブツと文句をいいながら
ゆっくりゆっくり幹事は歩く。

すると向こうから声が聞こえた。

無理矢理作ったような高い声が。


「完二くぅーん、お茶しないー?」


その声にピクッと反応した完二は
ニコッと可愛らしい顔を浮かべた。


完:「僕でよければ是非!」


響きやすい廊下には、舌打ちの音の
余韻が微かに残っていた。