完:「これ勿忘草、結構好きなんだ
こっちはアイリス綺麗だよね」


完二が次々と花の説明をしていく。

蘭はそれを楽しそうに聞いていた。

そして、そっとアイリスの花に触る。


蘭:『…うん、綺麗だね』


少し曇った蘭の顔に気づいて
完二が心配そうに訊いた。


完:「大丈夫?」

蘭:『うん!大丈夫だよっ!』


さっきの顔が無かったように
蘭が明るい顔で笑った。

それを見た完二はニコッと笑って
次の花を紹介し始めた。


完:「これは薔薇、よいしょっと…」


そう言いながら、完二が一輪の薔薇の
花をそっと摘んだ。

蘭は驚いて完二に言う。


蘭:『だ、駄目だよ一条君…!?』

完:「大丈夫、この薔薇はうちの親が
ここに提供したやつだから…はい」


完二がそういって、蘭の髪に薔薇の花
をつけた。

黒い髪に赤い薔薇がよく冴えて
可愛らしい蘭に大人らしさがでた。


完:「うん、いい感じだ、あげるよ」

蘭:『え?…あっ、ありがとう』