麗:「うん、じゃあ後は自由行動
だけなので各自で決めてくださぁい」


麗菜がニコッと笑って席へ戻る。

拓也は適当に拍手をしてから
生徒達に声をかける。


拓:「毎年急にあるからな、明後日とその次の日だぞ。そっからは勉強ばっかだから気ぃ抜きすぎんなー」


解散、と言わんばかりに
拓也がバイバイと手を振る。

それを見た生徒達が
次々と教室から出ていっていく。

だが、蘭以外にも目をつけられている
月組の生徒もいるらしく、
月組は特に早く戻ろうと急いでいる。

奎太が蘭の席に来て
そっと蘭の耳元で囁いた。


圭:「いいか、蘭?西園寺には気を付けろ、すぐ信用するのはマズイ」

蘭:『え?』

圭:「いちいち聞き返すな、
俺は少し用事があるから先行っとけ」


圭太はそう言って、
教室を出ていった。


蘭:『小泉君は信用しなさすぎだよー』


蘭はムスッとして独り言を言った。


それをずっと前で見聞きしていた
拓也が、ただただ言った。


拓:「いや、見てる俺が恥ずかしいわ」