サ:「おはよう、蘭」

蘭:『おはよう、サクラちゃん』


それからは、圭太とサクラという
二大勢力のおかげで、蘭は何事もなく
クラスに居座ることができた。


神:「よ、米崎さんっ…おはよう…!」

蘭:『おはよう!神谷さん!』


神谷凛が少し照れながら挨拶をする。

蘭は安心するような笑顔で返した。


何気ない、いつもの日常がある喜び。

ガラガラっと扉を開け、
拓也が気だるげに入ってくる。


拓:「うし、この一週間は勉強しねえからって浮かれんなよー」


拓也が教卓の椅子にゆっくりと座る。

一瞬、蘭と目線が合い、
フッと優しく微笑む。

蘭は首をかしげてから、笑い返す。


拓:「うし、今から一泊宿泊の班、バス、新幹線の席決めるぞ、学代ー」


拓也が面倒くさそうに目をこする。

相変わらず目の下にはクマがあり
凄すぎる天然パーマも健在だ。


麗:「はーぃ、じゃあ、まずバスと新幹線の席順決めまーす」


麗菜が可愛らしい声を出して
さっさと決めていく。


麗:「えっと、次は…米崎さんの隣行く人いるぅ?」


麗菜がニヤッと歪んだ笑顔を見せた。

蘭は聞いていないように
嫌がること諦めた
拓也の袖をいじっている。

一瞬の静けさが起こり、
それを見て圭太がため息をついた。


圭:「…じゃ、俺が「私がいく」


手をあげかけた圭太をおいて
サクラがスッと立ち上がる。

凛が、私はその前で…と手をあげる。

圭太は大人しく引き下がり


圭:「じゃ、俺は空いてる神谷の
隣でいいわ」


本当にどこでもよさそうに言った。

隣に座ってくれる人がいてか
凛が嬉しそうに圭太を見る。

圭太はそれに何も返さず
じっとサクラを見つめていた。