蘭:『小泉君っ、おーきーて』


日が登り、カーテンの隙間から
爽やかな光が部屋に差し込む。

そんな光不必要だと言うばかりに
圭太が皺を寄せて布団をかぶる。


蘭が必死に圭太を揺さぶって起こす。


圭:「うっせえ…寝かせろ」


圭太がかすれた声でボソッと呟く。

それからチョコっと顔を覗かせ
蘭に訊いた。


圭:「朝飯…何?」

蘭:『小泉君がパンケーキって…』


パンケーキという言葉を聞いて
圭太がムクッと起き上がった。

それから、スッと立ち上がって
椅子にドカッと座り込む。


圭:「早く用意しろ…」

蘭:『はーい』

圭:「…今、小泉君たまに怖くなるよなぁーって思っただろ?」

蘭:『……』


昨日のことがあったので
基本食事は蘭が作る料理になった。

また圭太に内心を当てられた蘭は
返事を返さずパンケーキを差し出した

圭太は小さな声で礼を言ってから
寝起きは機嫌が悪いことを伝えた。

それだけでは無いような気もするが
蘭は頷いて椅子に座る。


圭:「うめぇ、料理できんだな」

蘭:『そうかな?そんなにだよ…』


謙遜するなと圭太が蘭をデコピンする

蘭が不機嫌そうにムスッとしながら
パンケーキを一口ほおばった。