?:「あ、米崎さんじゃないの」

蘭:『?』


一人で座りながら圭太を待っていると
後ろから甲高い声がした。

蘭は一瞬首をかしげかけたが、
その声に妙な覚えがあり振り向く。

するとそこには、蘭が代表者になった
元凶のパーマ女子が立っていた。


蘭:(…ど、どうしよう)


麗:「私、麗菜っていうのぉ。よろしくねっ」


麗菜が意味深な言葉を並べ笑う。

その笑顔に寒気を感じた蘭は
どうしようか考え、返事をした。


蘭:『よ、よろしくお願いします』


何とか自然な笑みを浮かべた蘭は
謎の安心感を持っていた。

大丈夫、悪い人じゃないはず…と。



だが、そんな思い込みも虚しく
蘭の頭に水が被せられる。

カラコロと氷が落ちる音がした。


蘭:『…』


蘭は空になったコップを持つ麗菜を
見ながら気持ちを抑え込む。

周りにいた太陽組の数人が
蘭を笑う。

月組の生徒達は見て見ぬふりで
黙って食事を続ける。


麗:「あらごめんねぇ、手が滑っちゃったぁ~」


麗菜が笑いをこらえながら蘭に言う。

蘭は黙ったまま下を向く。

無視されたと思い
麗菜は眉間に皺を寄せて椅子を蹴る。

その威力のせいで、蘭が床に落ちる。

だが、蘭はピクリとも
麗菜の方を見ず下を向く。