蘭:『終わったー!!』


日が傾き始めた頃、
蘭が両手を天井に向けて伸ばす。

途中で作業を放置した奎太が
むくっと起き上がりフッと笑う。


圭:「うし、なら晩飯食おうぜ。もう7時だろ?」

蘭:『え?私も一緒いいの?』

圭:「はあ?俺が行くっつってんだから行くんだよ。ほら早く立て」


奎太が蘭の腕を掴み引き上げる。

蘭はバランスを崩しながらも
何とか立ち、奎太についていった。


圭:「…お前、いじめられやすいんだろ?俺がいる時は助けてやるから」


奎太がニヤッと笑って
蘭の手をグッと引っ張って
彼女を隣に歩かせる。


蘭:『え?そ、そんな小泉君に悪いよ』


おどおどとしながら
必死に奎太の歩幅に合わせる蘭。


圭:「は??」


その言葉を聞いた奎太は
玄関前でピタッと歩くのをやめる。



それから蘭を壁に押し付けてから
彼女に顔を近づけ、圭太は言った。


圭:「お前より俺の方が正しいんだよ。黙ってこの俺に従え、馬鹿女」

蘭:『は、はい……』