光:「…で、拓也は勉強にいそしんで、僕もそうなった…だよな?」

拓:「…ああ、そうだ」


全てを話終えたように、拓也はクッションに顔を埋めた。

それから、静かにゆっくりと時間が流れる。

蘭は何も言えないまま、床に目を向けていた。


光:「では、私はまだ仕事が残っているので、失礼しますね」

拓:「は?」

蘭:「え?」


口調を、蘭の知っていたものになった光輝が立ち上がる。

落ち着いた雰囲気で、ニコッと蘭に微笑む。


光:「米崎さん、補習はまた今度にしましょう」

拓:「お、おい……」


拓也が驚いて、光輝のスーツを引っ張ろうとするが、虚しく空気を掴むだけたった。