蘭が恐る恐る後ろを振り返る。

そこには、金髪でピアスを開けている
この学園には程遠いような格好の
男子が睨み付けるように立っていた。



蘭:『え、えっと、今から、私も、行こうかと……』


必死に口を動かして答える蘭。

男は聞いているのか否や、
蘭の顔をじっと見つめる。

それからポツリと言った。


圭:「俺、小泉奎太。お前、あの馬鹿か」

蘭:『……ん?はい?』


いきなり名乗られたことよりも
馬鹿という単語に反応した蘭。

小泉奎太は蘭を指差して言った。


圭:「お前、さっき誰か庇って代表するっつってたろ?馬鹿だよな」

蘭:『……はい』


疑問から納得に変わり、
ずーんと蘭が落ち込んだ。

奎太は頭を掻きながら不器用そうに言った。


圭:「俺、太陽組断ったからよ、アンタと同じ部屋なんだわ」



この言葉を聞いた瞬間
蘭にはいくつもの疑問が浮かんだ。


太陽組を断った?


不良が太陽組?


私と同じ部屋?


目の前の人は男では?



圭:『まあ、とりあえず部屋行こうぜ』