拓:「人形…俺は人じゃないのか」

光:「人だろ!!?お前は逃げてんだろうが!!!」


光の両手が、俺の顔を挟んだ。

俺はただ光輝の言葉を聞いていた。


光:「分からないなら学べよ!!人と関われよ!!逃げんなよ!!!お前が何も学ばないことで、大きな勘違いや間違いが生まれて、そのたびにまた分からなくなってくんだぞ!!!」

拓:「……」

光:「アヤカはいじめられてたんだ!!それも酷いほどに!!僕でも助けきれないイジメにっ、そこでお前が違う『好き』でアヤカに優しくしたからだ!!!言っただろ!?恋愛の『好き』と友達の『好き』は違う!!」

拓:「ア、アヤカは…俺に、恋愛の『好き』だったのか……?」

光:「そうだ!!!お前はそれを分からないまま放っておいたんだ!!相手が嬉しそうならいいものじゃないんだよ!!」

拓:「そう…なのか?」

光:「ああ、そうだ!!いいか!?この先はな…!!」



光輝が俺を抱き締めて、弱々しい声で言った。



光:「頼むから……本当に心から『好き』な人を見つけてくれ。次は幸せになってくれ……」