「そんな急がなくてもいいのに。髪ボサボサだよ?」 蓮斗はクスリと笑って私の髪に触れる。 「うっさいなぁ。急いでたからしょうがないでしょ。」 歩きながら髪を手ぐしで綺麗にする。 「今日は…髪、縛らねぇの?」 いつもはポニーテールに縛ってる私。 「んー…どうしよう。縛ってもいいけど、鏡ないから変になるかも。」 すると蓮斗は私からゴムを奪い取る。 「貸せ。縛ってやる。」 一言だけそう言って私の髪をまとめた。