ジエンダーラブ



俺はあの後ふらつきながら家に帰って
ぼっーとしたまま今にいたる

ベランダで風にうたれながら
俺は向かい家の遙の部屋のベランダを眺めてた


俺、もしかして。遙がすきなのか?
あの二人の楽しそうな光景が離れない

嫉妬か?


向かい家の遙の部屋のあかりがついた。

遙は背伸びをしてベランダをあけた。

「をぉ。」

遙は変な声でまん丸目でいった。

おれはベランダの柵の部分に肘をついて
ぅん?
みたいな顔をした
声が思うようにでなかった。

「なにやってんの?」


「ねぇー、遙」

俺はほぼ無気力で
なにも考えずに
言葉がでる

「初恋ってだれ?」

「…え?」

あはは
なんでそんなこときいたのだろー

遙は無邪気な笑顔をして

「宏だったら?」

そういった。

俺は寝ぼけた顔から一変した

「なんて嘘~。なわけないじゃん。」


だよな。笑わせてくれんな~

「さやとはやったの?」


俺は思わず吹いた
おそらく赤面だ。

「さやのこと不安にさせるなよ?」

なんだそれ。

「あたしのせいでトラウマとかだったらどーしよって思ってた。あたしさやのこと傷つけすぎだよね。あたしは忘れる。この先初体験が誰だろうと構わない」


「やれるわけねーだろ。」

おれは思わず声に出してた


「ぇ?」

「あの時お前泣いたよな。俺…」

「違うの。宏の初があたしなんかでいいのかなって。」

「そしたら、俺もじゃん。」

「違うの。宏とは感情がちがうの。宏には分からないよ。」

なにムキになってんだよ。

冷静を取り戻すかのように
遙は深呼吸して

「とにかく、さや不安だから。あたしのことは忘れて。二人には幸せになってもらわないと、あたしは辛い」

なんでお前が辛いんだよ。