「バイトだる。こんな暑い日に」

「あんたが決めたことでしょ。」

ほしいものあるから。やめるにもやめられない。
あついよー
いくかー。

「あっ。」

「あっ。」

声が被った。

「デートですか?」

動揺を隠すための敬語なのか。
つい敬語になってしまった。

「そっちは。」

答えないってなに

「バイト」


沈黙。

なんで無視?

あたしはその場を去ろうとした


手首をつかまれた

私は宏を直視したあと、すぐにそらして、
手をほどいた。

あたしはその場をさった。

涙が溢れる


さやからの着信に我に返る

『次いつにする。』

勉強会のはなしか。

前から勉強の得意な宏だから、勉強会と言ってあいたいのだろう

でも、それは二人でやってほしい。

「バイトない日ならいつでも」

『わかった。宏くんと相談するね。』

電話がおわり
バイトも気づいたらおわってる。

なにも、考えたくない。

あたしのバイトは誰でも買えるようになってるお酒の自動販売機ある

私は何かあると
酒に頼る

ビール片手に
思い出の公園

「遥ちゃん?」

名前を呼ばれてとっさにビールを隠した。


「ひさしぶり。」


「あー。真衣ちゃん。」

「宏とはもう恋人関係?」


こいつはあたしとの中を壊したがってたやつ

宏のことがずっとすきだった。

「え?ちがうの?ごめんね?」

あいかわらずうざい。

あたしの隠したビールを覗き込んだ

「ビールなんか飲むんだ。宏はしってるの?」

知ってても知らなくてもよくね?


「遥ちゃんの裏をみんな知ったら遥ちゃんのファンなんかいないのに。遥ちゃんは宏だけに愛されたいのにね。」

あたしはずっと黙ったまま。

「なんかいったらどーなの?」


あざ笑いがこぼれた。

「宏はお前みたいなやつもみてねーよ。」


そうぼそっといって
あたしはその場をさった。