ジエンダーラブ

「遙。」

「どーした?さや。」

「気になってることがあるんだけどさ、遙ってほんとに恋したことないの?」

「えっ?つきあってるじゃんごくたまに。」

「なんていうか、このひとかっこいい!どきどきする!みたいなこい?遙はただ言い寄られてるだけでしょ?」

確かにそうだ。
でも宏がすきなんていえない。

「教えてよ。なんかあるんでしょ?」

人物を伏せていうことにした。

「幼稚園のころが初恋。でも、いろいろあって、告白できないままあたしはおわって、それっきり、こんな感じ?」

「やっぱ、初恋、遙にもいたんだ。」

「すごいすきだった?」

さやの言葉に胸がちくりといたんだ。
あんなにも夢中で
あんなにも苦しんで
あんなにも忘れようと努力した恋

「今思えば、まぁ、普通のこいだよね。」

そんなことない。でも、これがあたしの強がり。

「あ!やばい、あたし部活いくね!」

「うん!がんばって」