遥side


(ひろー。ひろはどこの高校いくかきまった?もう受験だよー。)

(おう。青海にいく。)

(青海って。偏差値60の?)

(決まってないなら遙もそこにしなよ。)



「はーる。はーる。はるっっ。」
あたしは現実にもどった。
仲良かったあたしたちはもういない。
「さや、ごめん。っでなんだっけ?」

「夏休みに入ろうとしてるよー。彼氏ほしいなーって話。遙はもてるからすぐできそうだけどさ。」

「あたし恋に興味ないから。」

廊下できゃーきゃー騒ぐ声がした。
これも聞き飽きた。

「遙っっ!宏くんと光くんだよ。もうほんとかっこいい。」


青海高校にいくと決めた3人は毎日のように宏の家で受験勉強をしたのを思い出した。
3人の仲の良さは誰もが認めてた。
だからこそ伝えることのできない想いがあった。
幼稚園の時から変わらず宏を一途に思ってて、でも、あのときは3人が壊れるなんておもってなかった。