「いい子、いい子」
そう言って王子スマイルに戻った早瀬くんは私の頭を優しく撫でた。
「あ…」
その王子スマイルについキュンときてしまう……。
やっぱり…この笑顔が私は好きだ…
なんて思うのもつかの間で。
「…な〜んて。俺が普段こんな王子でいると思うなよ」
ニヤッと笑った早瀬くんはさっきまで撫でていた私の頭を突き放すと言った。
「俺が来いって言ったら5分で来い。俺を待たせたらお前の命はないと思え」
「……へ?」
「それと、俺の命令は絶対だからな。」
「いや…あの…」
「学校で俺の本性 バラしたら…お前をこの学校から消す」
「は…早瀬く……」
「あと……俺のことは玲矢って呼べ」
「えっ…なっ…なんで!?」
「早瀬くんとかいちいちうっとうしいんだよ。わかったか、玲矢って呼ばないと犯す」
「おおおおおっ…犯すっ!?」
変態はどっちよ!!!
「じゃあな、梨香」
「えっ…!」
そのまま早瀬く……玲矢は資料室を出て行ってしまった。
「梨香……って…」
名前を呼ばれただけなのに…
ただの変態で最低な男なのに…
最後にニコって微笑んだあの顔は…やっぱり私の大好きな王子の顔で……。
「王子様……だったのに…ヒドいよ…」
この日、私はずっと大好きだった
優しくて
笑顔が素敵で
最高な王子様
……に騙されて
本性は
意地悪で
笑顔は目が笑ってなくて
最低なブラック王子の……
彼女になりました。
