数日後、平助君に呼び出される。
「なぁ、馬詰の親子、どう思った?」
唐突に尋ねられたその質問に、一瞬戸惑う。
多分、土方さんから報告を受けたのだろう。
「…馬詰さんは、根はやさしかったともいます。」
「あぁ。そうだな。
僕も柳太郎には結構世話になっててさ。
行方が分からないから、もう追わないらしい。」
「…そう、ですか。」
「ねぇ美奈。」
「なに?平助君。」
「新撰組って何なんだろな…。」
ふとした疑問を口にする平助君。
「…え?」
と私は思わず疑問を口にした。
そんな私に
「ううん。
なんでもない。」
と笑顔で言う平助君。
私は疑問を胸に抱きながらも、「そっか。」と笑顔を平助君に向けた。
あの平助君のふとした疑問が、まさかあんなことになるとは知らずに…。