「これは、電子辞書っていう、現代のもの。
調べたいことがあれば、ある程度は出てくる。
これには、歴史のこととか色々載っているから、皆には極力見せたくなかったの。
―だから、絶対に見せちゃだめ。
教えてもだめ。
総司、わかった?」
「はい!!
わかりました!!」
そう言った総司に安心して息を吐く。
「それにしても、現代のものは便利なんですね!!
何が書いてあるのかよくわかりませんが。
他に、何か現代のものはないんですか?」
「あるよ。」
そう言って、物置の奥にしまっておいた鞄から筆箱など、色々なものを取り出す。
「これは、教科書って言って、学問を学ぶときに使うの。
これはノート。
学んだことをこのノートってやつに書き込んでる。
そして、これが、今の筆の代わりになっている物。
シャープペンっていうんだよ。
これは、消しゴムっていうやつを使えば、書いた文字を消すことができる。
ちなみに、消しゴムはこれね。」
総司が、私が次々と取り出すものをもの珍しそうに見て、目をキラキラと輝かせる。
「美奈さん!!
その、しゃーぷなんちゃらで文字を書いてみたいです!!」
私は、総司にノートの何も書いてない後ろのページを差し出し、シャープペンの使い方を説明しながら、文字を書いてもらった。


