「うわー!屋上初めてきたー!」
大きく広がった青い空。
中学校の時は屋上に登ったことがなかったから初めてだ。
「すげーよなここ!」
「うん!気持ちいいー!」
「…やっと笑った」
「え…?」
小林くんが笑顔で言った。
「俺、田島の笑った顔好きなんだ」
「え…!?」
「あ!そーゆー意味じゃなくて!友達として!普段男子と喋んないのに女子と喋る時は笑顔じゃん?」
「あw男子苦手だから…」
「知ってるw今日のこと本当は謝りたかったんだ。橘に言われただろ?あいつはあいつで悪気があって言ってるんじゃないんだよ。ただ田島に北村のこと忘れてほしかったんだよ。」
ー北村
この名前に反応してしまう。
「だからごめんな。」
「ううん。橘くんこそ元気づけてくれたし2人には感謝してるから…!」
小林くんは優しい。
橘くんのことなのにわざわざ謝ってくれるなんて…だからモテるんだろうな
「あの、さ」
「なに?」
「北村の…どこを好きになったの…?」
遠慮がちに聞いてくる小林くん。
いつものチャラ男感はなくて風になびくサラサラな茶色の髪の毛。
「いや、そのさ無理して言わなくてもいいんだぜ?けど、なんで北村なのかな?って」
「自主練」
「え!?」
「北村くん…毎日毎日自主練してたの。それを見てなんだか元気をもらえたの。部活が終わったあともたった一人でサッカーボールを蹴ってた。サッカーが上手いワケじゃないし目立った存在でもないけど…なんか惹かれたの。」
北村くん…
学校生活にも部活にも慣れた頃…
終わるのがどんなに遅くてもグラウンドで1人サッカーボールを蹴る影。
毎日毎日見ると元気をもらえて…頑張ろうって思えた。
そんな北村くんが大好きになってたんだな。
諦めるなんて…簡単にできないよ。

