びっくりして顔をあげる。

「え…」

そこには、汚れた練習着に帽子をかぶった人。

また野球部…

涙でぐしゃぐしゃな私にはよく顔が見えない。
誰だろ?

「これ」

そう言ってその野球部は私にあったかいミルクティーを差し出してきた。

「え。あの、これっ…」

お礼を言おうとしたのにその人は走ってグランドの方へ行ってしまった。


知らない人にもらったミルクティー。

捨てるわけにもいかないから飲んだ。


甘くてあったかいミルクティーは
星が一番綺麗に見える夜
私をそばで支えてくれた気がした。