大嫌いで大好きな幼馴染み

「.......俺だって嫌いだ。蝶なんか。」

「.......うん。知ってる。」

今まで散々"嫌い"と言われているのに少しだけショックをうけている自分に嫌気がさす。

あたしはきっと今、凄く悲しそうな顔をしているに違いない。

それでも夜はあたしの方を向かず手だけを動かす。

あたしは作業の続きをやる気力もなく夜の方をじっと見ていた。

.......そういえばこんな長い時間2人でいるのなんて滅多にないな....。

極力あたしは夜と2人でいるのを避けているから何を話せばいいか分からない。

お互い口を開けば"嫌い"としか言いようがないから。

あの時の居残りの帰り道もあたし達は無言だった。

こんなふうになる前はどんな事を話していたのか思い出さない。

2人で一緒に笑い合っていた時期なんてもう何年も前の話だから。

あたし達は何も喋らず、ただ夜がやっている作業の音が聞こえるだけだ。

あたしは思わず夜の名前を呼んでいた。

「---....夜」