鈴姫伝説 SideStory 番外編






 そこには、ロイルがいて剣を磨いていた。



 月の光を浴びて、キラキラと刃と黒い髪が光り輝いている。



 その姿にも、見とれてしまった。




「ろ、ロイル」




「なんだ?」




「ちょっと、いい?」




「ああ」





 彼は私に気づくと、シャキンと剣を鞘に納め、こちらを向いた。



 もう、止められない。





「ロイル、私、あなたのことが好きなの」




「・・・・・・・・・・・・え?」





 ロイルは信じられないという顔をした。



 そりゃ、そうか。



 というか、やっぱり気づいていなかったんだね、私の気持ち。



「そういうことだから!」



 私は、ニコッと笑顔を彼に向けると、その場から逃げ出すようにしてアンゼリカたちのいる部屋へと向かったのだった。