鈴姫伝説 SideStory 番外編




 それからしばらくして、千が気絶したお姉ちゃんを抱えてこのカレンデュラにきた。



 千はケガをしていて、もう戦いが始まっていることを伺わせた。



 お姉ちゃんを受けとったロイルは、お姉ちゃんを寝かせた部屋から出てこようとはしない。



 私も、お姉ちゃんに会いたかったけど、今はお姉ちゃんを守る戦士なんだと自分に言い聞かせ、庭へと出た。



 そこは赤い薔薇が、庭を囲むようにして、咲き乱れている。



 風が吹くと、紫色の空に赤い花びらが舞った。



 それを見上げて、右手を空へと掲げた。



 霊力を少し使って、雪を降らす。



 サラサラと、身体に冷たい雪が降りかかると、心が静まった。



 そしてもう一度、空を見上げる。



 きっと、ロイルはお姉ちゃんが目を覚ましたら、告白するだろう。



 千がいなくなったと知らされるはずだから、少なからず、お姉ちゃんは傷ついてしまうけど、ロイルはそこに付け込むだろう。



 お姉ちゃんはもしかすると、ロイルになびくかもしれない。



 それでも、私は・・・・・・。




 














 ロイルに気持ちを伝えたい。