男の人は悔しそうに、歯軋りすると、身体を引きずりながら教室をあとにした。 よかった・・・・・・。 怖かったよぉ。 千にしがみつくと、千の香りが全身を包んで、安心することができた。 「ちょっと、お二人さん」 呼び込み係だった小倉さんが、あたしたちを見ている。 あ、あたし、そういえばなにして・・・・・・。 慌てて、千から離れようとするけど、千が強く拘束しているせいで、身動きが取れない。 「な、なぁに? 小倉さん・・・・・・」