ニュッと、男の人の手があたしの方へ伸びてきて・・・・・・。 あたしは恐怖で目をつぶってしまった。 ──ドガッ! 「ぐわぁっ!」 ──ドサリ。 ・・・・・・なにが起こった? 慌てて目を開けば、あたしは何かに包まれていた。 そう。 千の力強い腕に。 「な、んだ、お前は」 男の人は、はるか5メートルくらい吹っ飛ばされている。 もしかして、千。 霊力使っちゃった? 周りのみんなも、なにが起きたのか理解できず、立ち尽くしている。