この香り・・・・・・。
慌てて首を動かして、後ろを見る。
すると目の前に、千の顔があった。
うわっ、なになになに?
今、千はあたしの上から覆いかぶさるようにして、抱きしめている。
「すずか・・・・・・」
「どうしたの?
千、いきなりこんなこと・・・・・・」
あたしの心臓は爆発しそうな勢いで、脈を打ちつづける。
頑張って平静を装うけど、絶対千は、わかっている。
あたしが、ドキドキしていることに。
ふう、と千の吐息が耳にかかって、一気に体温が上がった。
ギャ━━━━ッ!
「なんでって、今日、全然すずかに会えなかったから」
え?
普通に隣の席にいたし、さっき教室でもあったじゃん。
そう思って首を傾げると、フッと妖艶な表情で千は笑う。
「可愛いな、お前」
は?

![あたし、『魔女』として魔界に召喚されちゃったんですが。[2]](https://www.no-ichigo.jp/img/member/684618/kvlyibwqof-thumb.jpg)

