鈴姫伝説 SideStory 番外編






 この香り・・・・・・。




 慌てて首を動かして、後ろを見る。




 すると目の前に、千の顔があった。




 うわっ、なになになに?



 今、千はあたしの上から覆いかぶさるようにして、抱きしめている。





「すずか・・・・・・」




「どうしたの?   




 千、いきなりこんなこと・・・・・・」




 あたしの心臓は爆発しそうな勢いで、脈を打ちつづける。



 頑張って平静を装うけど、絶対千は、わかっている。




 あたしが、ドキドキしていることに。




 ふう、と千の吐息が耳にかかって、一気に体温が上がった。



 ギャ━━━━ッ!




「なんでって、今日、全然すずかに会えなかったから」





 え?




 普通に隣の席にいたし、さっき教室でもあったじゃん。



 
 そう思って首を傾げると、フッと妖艶な表情で千は笑う。




「可愛いな、お前」





 は?