後ろから視線を感じる。 斜め右後ろ左後ろからも視線を感じる。 遠くからも視線を投げ掛けて来ている。 そしてすぐ隣からも、ベタッとした海藻の匂いがする様な視線が染み込んでくる。 その全ての視線はずっとではない。 チラチラとまさに盗み見。 茶碗子は、その四方八方からの視線に慣れっこだった。