しかし、浮き輪みたいなものはちゃっかし付いている事に気がついた。 同時に母の視線が右胸では無い事にも気がついた。 「お母さん! 浮き輪外すためにはカツ不要よ!」 「カツを抜いたからって急にその浮き輪を外せないでしょ?」 ニヤニヤ笑いながら母は台所へ去って行った。 茶碗子は、昨日も街中で十代の男の子にナンパされたという、三十七歳の若々しい母の後ろ姿を唇を噛み締めて見つめていた。