私は否定の言葉を口にしたいのに何故か言葉が出ない 私は黙ってうつむいた 「希衣ちゃん、私……もう帰るね……」 佑梨はゆっくり立ち上がる 「佑梨……ごめん……」 苦し紛れにやっと出た言葉はそれだった 「ううん、私希衣ちゃんのことも“きぃちゃん”のことも傷つけちゃうんだ 私こそごめんね」 きぃちゃん? 私と似た名前…… 佑梨は昔きぃちゃんって子となんかあったのかな? 「佑梨は謝らなくていいよ…… それによくわからないけど多分“きぃちゃん”も佑梨に傷つけられてないと思うよ」