魔王の娘が勇者になりたいって変ですか?

「まぁ。
 マクベスバーガーに勝てる店はないわね」

 プレゲトンが、そう言って鼻を高くさせる。

「では、お嬢さん方にはパフェを……
 殿方にはコーヒーをサービスしましょう」

 マスターが、そう言うとかみさまの目が輝く。

「コピ・ルアクか?」

「勿論です」

 マスターのメガネが輝く。

「コピ・ルアク……って世界で一番高いコーヒーの?」

 丹歌が、そう尋ねるとかみさまが驚く。

「む?丹歌は、コピ・ルアクを知っているのか?」

「知識程度に……」

「そのコピ・ルアクの記憶はあるのか?」

 玉藻が、丹歌に尋ねる。

「えっと……」

「丹歌の記憶喪失は、思い出がなくなるだけで知識は残っているのよ」

 プレゲトンがかわりに答える。

「……そうか」

 玉藻が、小さく頷いた。

「記憶を失われたのですか?」

 マスターは、そう言って丹歌の方を見た。

「はい」

 丹歌は、コトの経由をマスターに説明した。

「そうですか……
 記憶を……
 大変ですね」

「まぁ、なんとかなってます」

 丹歌が、そう言うとマスターは小さく笑いコーヒーを差し出した。

「まぁ、これでも飲んで元気だしてください」

 マスターが、そう言って丹歌の前にコーヒーを出す。

「ごめんなさい。
 俺、コーヒーは飲めないんです」

 丹歌が、そう言うとマスターは「そうですか」と言ってコーヒーを下げようとした。

「待て。そのコーヒー余がもらおう」

 かみさまは、そう言ってマスターからコーヒーを受け取った。