あまりの緊張が、僕に大切なことを忘れさせていた。

周りの友達も、それに触れなかったから、気付かなかった。


夏前と変わらない彼女の姿と表情に、

僕は…時が戻ったような感じがしていたから。



時を忘れ、パーティーを楽しんだ。

「誰だ!お酒を頼んだのは!」

普段着だと、僕らは高校生に見えなかった。大学生に見えた。

「いいじゃん!少しくらい」

麻衣が、カシスオレンジを飲んでいた。

「あんた…体は…」

隣にいた千秋が、小声で心配そうにきいた。

それと同時に、僕の携帯が鳴った為、千秋の言葉は、僕には聞こえなかった。


「やばい!」

僕は席を立った。

家に、遅くなると言ってなかった。

慌てて席を立ち、僕は店を出た。

鳴り続ける携帯に出た。