人は無意識に…綺麗なものに目が行くけど…、

綺麗と思うけど、

あまりにも高嶺の花の場合…無意識に、意識しないようにしてる場合がある。

好きになっても…完全に無理な場合…。



俺にとって、彼女がそうだった。

同じクラスにいたのに、俺は長いこと気付かずにいた。


片桐麻衣。


俺の席の後ろ…対角線上にいる彼女は、確か…二年からの転校生だった。

あまりに、整った横顔や流れるような姿勢の美しさ。


(あんな…女だったら…)

彼女は悔しがってくれるだろうか。


あまりにも、綺麗で…あまりにも、美しい過ぎる…女なんて、

普段なら気にはしない。

分をわきまえているというか…臆病なんだろう。


そんな俺の一歩は、不純だった。

だけど…俺は、自分でも気付いていかなったけど…。

本当は…一目惚れをしていたのだ。

普段なら、近づかない花に、俺は近づくことになる。

それが、どんな結果を生むかなんて…考えもせずに。