そして、彼女がいなくなって、数ヶ月がたった…年末。

クリスマスと忘年会を兼ねたパーティーが開かれた。

11人に減った仲間だったが、

その日だけは、12人に戻っていた。

そんなことを知らなかった僕。

店に入った瞬間、目に飛び込んだ…屈託のない笑顔が、カフェのどんな調度品よりも際立っていた。

予想外の事態に、僕はその場で動けなくなった。


そんな僕に気付き、

「伊藤!さっさと来いよ!今日は、特別ゲストが来てるんだから」

12人の中でも、一番お調子者の鈴木に促されて、

僕は…席に着いた。

なぜか、麻衣の前が空いていた。

「え」

戸惑い…さらに、向こうの席に座ろうとするのを、藤本が止めた。

「駄目!ここに座って!」