心の裏側と素肌の境界線を越える為に

「さあ〜行きましょう」

片桐は絡めた腕で、俺の体を動かした。

「ど、どこにいくの?」

歩き出した方向は、正門ではなかった。

裏門。

駅からも遠くなり、静かな住宅地を通ることになる裏門から、帰る生徒は少ない。


俺と片桐は、人通りのない道を歩いていく。

「片桐!?」

2人で歩く間、片桐はあまり話さなかった。


2人で腕を組んで歩く姿は、どう見えるだろうか。


途中、その辺りに住む住民とすれ違ったが、

男だった場合…百パーセント、片桐を見た。


背も高く、スタイルの良くてモデルのような片桐は、目を惹く。

学校の中…以上に。