「知って…どうするの?」

少し怒ったような雰囲気になった片桐に、俺は戸惑っていた。

明らかに、拒否反応が見える。

だけど、そうだからといって…ここであきらめる訳にはいかない。

俺は知っている。


恋愛とは…ある意味、土足で相手のテリトリーに入ることだと。

最初は誰でも、そうだ。

この壁を越えないと、俺は片桐に近づけない。

例え、その結果傷つこうとも。


「知ったら…」

俺は、片桐にさらに接近した。

だけど、片桐は逃げない。

ただ…俺の目を見ている。

その目に吸い込まれそうになりながらも、俺は言葉を続けた。


「俺は絶対…片桐を、もっと好きになる」