美佳と離れた後、俺は走り出した。


勿論、片桐を追う為だ。



つまらないことで、時間を使ってしまった。

でも、まだ駅にはついていないはずだ。

走れば、間に合う。


俺は、帰る生徒達を追い越しながら、

片桐の後ろ姿を探した。


自転車通学をしている可能性もあったが、

なぜかそれは考えなかった。


なんだろう…。


片桐には、自転車通学は似合わない。

そう感じていたからだ。



しばらく、走っていると、

俺の目は片桐の背中を見つけた。


なぜだろう。

片桐の後ろ姿は、他の生徒達とはどこか違っていた。