「そうか…」

俺は、頷いた。


片桐の顔を思い出していた。

あの雰囲気は、年上だからか。


でも、それだけではないような気がした。

あの瞳の色。


「だから…」

言葉を続けようと振り返っ美佳は、ショックを受けるよりも考え込む俺を見て…

逆にショックを受けていた。

「だから…」

言葉が続かない。


「う〜ん」

深く考え込む俺を、美佳は無言になって見つめてしまった。

やがて、美佳は拳を握りしめると、

「だから!あんな年増を!」

大声で叫びだした。

だけど、それ以上は言わせなかった。

俺が手で、美佳の口をふさいだからだ。