「まったく!煙草なんて吸ってたら…」

俺から煙草を奪った女は、俺を指差し、

「丈夫な赤ちゃんを産めないぜ」



と言ったが、

俺は肩をすくめ、

「産む気ないし…むしろ、産めないし」

女に背を向けて歩き出そうとした。

女ははっとして、

「違った!う、う、う、産ませされないぞ!」

と自分で言ってから、顔を赤くした。


「馬鹿か…」

俺は振り向き、呆れたように女を見た。

「ば、馬鹿ってなんだ!」

女はムキになり、

「煙草を吸ってるやつが、馬鹿だろ!」


さらに顔を真っ赤にする女に、

俺は頭をかくと、

「吸わないよ」

と言い残して、屋上から消えた。