「か、片桐!」

あまりの力の強さに、俺はただ引きずられるだけだ。

「何だ..あの女!」

男は唾を吐いた。




「たっちゃん...」

離れていく俺に、あいつが声をかけた。

俺があいつの方を見ると、悲しく微笑んでいた。


「....」

俺は、さよならも言わずに...あいつから離れた。