昨日…キスした公園まで、俺は片桐を連れてきた。

相変わらず、誰もいない。

俺は昨日と同じように、夕陽に照らされている遊具達を見た。

片桐の腕を離すと、俺は真っ直ぐに彼女を見た。


「俺さ…」

夕陽に照らされても、それ以上に綺麗な彼女に目を細めながら、俺は言葉を続けた。

「前まで…好きになった人には、気持ちを真っ直ぐにぶつけ…その人の為に、何でもしたいと思ってた」


片桐は、突然の俺の言葉に…少し驚いたようだが、すぐに優しい顔になった。

「大切にしたいとだけ思っていた。だけど…」

俺は、片桐から少しだけ視線を外し、

「その気持ちは、大切だけど…。一番、大切なのは…俺の気持ちよりも、大切な人の気持ちなんだ」