総司の言葉は、俺の内面を抉った。

だけど、繊細な内側を分厚い嘘と見栄で固めた俺は、そんな動揺を総司に見せなかった。


「俺はいつでも、誠実だよ…」

なぜか…最後はトーンが下がった。

「嘘つき!」

総司は、俺の横を通り過ぎて行った。

顔も見たくないからか、目を瞑りながら。


音を立てて閉まった扉に振り返ることなく、

俺は空を見上げた。

深呼吸をしょうとしたけど、逆に呼吸困難になってしまった。

喉を押さえ、何とか呼吸を整えると、

俺は笑った。


「情けない…」

未だに…彼女に捨てられた心が傷んでいることを…1人になると痛感した。