「見えたのかよ!」

俺は、総司の背中に声をかけた。

「それとも…感じたのかよ?」


総司はこちらを見ずに、首だけを横に振った。 

「だったら…なぜ…あんなことを言った…」

俺は一メートルくらい開けて、総司の後ろで足を止めた。


俺が、元カノとのことで、秘密があるように……

総司にも秘密があった。


それは、女とかではなく…もっと信じられないことだった。



感受性の高い総司は…その人の持つ心の闇の深さがわかるのだ。

いや、しかし…その闇の要因までは知ることは、できないらしい。