バタン。

激しく音を立てて、閉めたドアにもたれながら、片桐はため息をついていた。

「どうして…」

自分でもさっきの行動は、信じられなかった。

靴を脱ぎ、部屋に入ると、まだ布団が敷いてあった。

しばし布団を見下ろした後、その上に倒れ込んだ。

「どうして…」

また自分にきいてしまう。

翔太にキスとして、助けを求めたことを後悔しているのに、

またあたしは…キスをしてしまった。

それ以上も…。


この学校に来てから、目立たずに、卒業までやり過ごすつもりだった。

本当はすぐに、働こうと思ったけど、

最終学歴が中学では、働ける場所は限られていたから…高校くらいは出ておこうと思っていた。

だって…

多分…

あたしは一生…

独りだろうから。