「何だよ…あいつは…」

正利が、首を傾げる。 


「チッ」

少し間を開けてから、俺は総司の後を追うように、席を立ち、

教室を出た。

「おい!太一?」

正利の声を無視して、俺は総司が向かった場所へ走った。


場所は、わかっていた。


階段を上り切った…一番上。つまり、屋上だ。


少し重い鉄の扉を開けると、日差しの強い青空の真下に、俺は飛び込んだ。

目を細めながら、俺は総司を探した。


いた。

扉から一番離れた手摺にもたれ、総司はそこからグランドを見下ろしていた。

「総司…」

俺は、ゆっくりと総司に向けて近づいた。