あれから、時がたった。

麻衣がどうなったのか…わからない。

仲間だったやつらも、知らないようだ。



だけど、たまに携帯をチェックしてしまう。

彼女から、メールがいつか…来るような気がして…。


携帯を開け…確認しょうとすると、誰かが携帯を閉めた。

「また…携帯を気にしてる…」

不満げに言う女に、僕は笑いかけた。

あれから、何人かの女と付き合った。

「誰のメールを待ってるの?」

歴代の女は、決まってこうきいてくる。

「誰も待っていないよ」

そう言い…女にキスをしょうとすると、

決まって、僕は相手の瞳を一度覗く癖ができた。

「どうしたの?」



「いや…」

僕はキスをした。


あれから、何度目のキスをしているが…彼女のような瞳に出会ったことはない。


そして、キスが終わった後…唇の感触を確かめることもしない。


今なら、彼女のすべてを受けとめられるだろうか……。


答えは、自分の中では、決まっていた。

今も過去も…未来も、イエスだ。



それなのに……メールは、来ない。