Dear,boy.

スーパーに着くと、まず向かうのは精肉コーナー。


『今日は特売だっけ…。』


牛肉の特売があったことを思いだし、行くと、すでに肉を並べ始めていた。


そこには主婦さんが群がっていて、とても入れるようなものじゃない。


意を決して入ると、5分程格闘して、肉を掴めた。


疲れて、カートを押すのもめんどくさくなってきて、野菜コーナーに行くと、肉を買ったのは良いものの何を作るのかを決めていなかった。


『…牛肉かぁ…。今日は肉じゃがにしよう！』


じゃがいもと、人参、さやいんげん等をカゴに入れ、翌日の分も買おうと思い、またメニューに悩む。


たまには洋食もいいかな。と思い、ハンバーグが頭に浮かんで、牛肉のミンチを買う。


玉ねぎやらなんやらも買い、両手に2つずつ、重い袋が乗っかった。


『思ったより重い…;』


誰か来てくれぬものか…考えたが、やはり男。


頑張って歩いてはきたものの、疲れた。


自転車を買う手もあるが、何故か引ける。


近くの公園で一休みしていると、ランニングをしている篠原さんがいた。


「あれ、どうしたの？」


俺に気がついたのか声をかけてきた。


『…荷物が重くて…ちょっと休んでました;』


頭を掻きながら、照れ臭そうにいうと、篠原さんが俺の隣にあった袋3つを持った。


『あのっ…!』


「無理しないで。って、結構重いね;」


そういって歩いて行ってしまった。