気がつくと、私のノートは先輩の手に。



い、いつの間に……。




精一杯背伸びしたり、ジャンプしたりして、先輩からノートを取り返そうとするけど、やっぱり背の高い先輩にはかなわない。






あああ~……ガッツリ見られてる……。







人生終わったな~……私……。











「ねぇ」





ううう……。


どんな辛辣な言葉が降ってくるやら……。
















「……何これ、めっちゃいい話なんだけど!」





「はい?」





「凄いよ!お前絶対才能あるわ!

俺が言うんだから間違いない!←」




う、嘘……。


やっぱりちょっとムカつくけど、





どうしよう、嬉しい……。







「才能ある」なんて、言われたことないし。





「……ありがとう、ございます……」




「あれ、めっちゃ素直じゃん。


もしかして……俺に惚れちゃったとか?」





「は、はぁ!?」





何言ってんだ、この人は!
そんなわけない……はず……。







素直じゃない私は、必死で自分に言い聞かせたけど……。










先輩、大正解ですよ。



私、この時、先輩を好きになりました。