「皆が皆って訳じゃ無いですけど,騒がしくて,でも優しい人達が集まっているっていう集団で,暖かい場所だと思います」
僕はそう聞いて,なんだか自分のように嬉しくなった。
ここが…新選組が誰よりも好きだから。
だから僕は嬉しくなった。
「…京に来て君が初めてだよ,新選組の事をそんな風に言ってくれるのは」
「そうですね…京の人達は新選組の事を嫌ってますよね」
なんでそうやって,君は自分の事でも無いのに悲しむの?。
僕が羅刹になっても,鬼になっても君は…いつも通りに接してくれるかな?。
羅刹や鬼になった僕を許してくれるのかな?。
近藤さんの為ならば僕はどうなっても構わない。
例え,羅刹や鬼に身を堕としても絶対に新選組を…近藤さんを守り抜いてみせるよ。
この身がなくなろうとも…。
前の僕ならこう言っていたのかもしれない。
確かにその気持ちはまだある。
でも,守りたい人が一人増えたんだ。
舞花ちゃんが僕を支えてくれる間,僕は君を守ってあげるよ。
僕はある事を舞花ちゃんに聞いてみた。
「ねぇ舞花ちゃん,月はさ太陽の光で輝くよね?」
「?…はい」
「てもその月がさ,輝く事が出来なくなったらどうなると思う?」
「え…?」
「太陽の力で太陽の代わりに輝いているだけなのに…それが出来なくなったら舞花ちゃん,君はどう思う?」
太陽の力,つまり僕からすれば近藤さんの刀になれない今の僕のようにー…。


