「結城、今日もまた来てるよ。」


「ゲッ…マジあいつ嫌だ。」



学校の2階の窓から、校門を見ると、庶民学校には不釣り合いな、黒塗りの車が停まっている。



その車の持ち主は、見なくてもわかる。


あの、二階堂だかいうバカ坊ちゃまだ。



あたしに会ったあの日から、こうやって校門前で待ち伏せをしている。



最初、知らなかったあたしは、校門を出ると、あのバカに会って、大変な迷惑を被った。



いつもだったら、あんな迷惑なヤツは殴ってやるんだけど、あいつの場合、喜んじゃうから逆効果。



本当いい迷惑だ。