「久しぶり杏子」


柴崎くんの家にお邪魔すると、玄関で出迎えてくれた柴崎くん。

顔は相変わらず無表情だけど、付き合う前よりは笑う事が多くなった。無表情の柴崎くんはかっこいいけど、笑顔の柴崎くんの方が断然好き。


「昨日電話で話したばっかだって」

「でも逢うのは終業式以来でしょ」

「そうだよね」


何気ない会話をした後、柴崎くんは無言のまま私の荷物を持って、柴崎くんの部屋に向かった。

柴崎くんに少しぎこちなさを感じる。

緊張してるのかもしれない。